こんにちは、ちゃんくまです!
今回は、人の脳で、「死んだ後に活動が活発化する遺伝子が発見された」と言う話を紹介します。
本記事は、Scientific reports(通称サイレポ)で発表された論文「Selective time-dependent changes in activity and cell-specific gene expression in human postmortem brain」と、
こちらのニュース記事を参考に、最新の知見をわかりやすく紹介していきます。
本論文の内容は、わかりやすく言うと、イリノイ大学シカゴ校のグループの研究により
特定の脳の細胞で、死後、活動が活発になる遺伝子が見つかった
という非常に衝撃的な内容になっています。
それでは、内容を紹介していきます。
グリア細胞という炎症細胞が死後成長していた
グリア細胞のgliaはニューロンとニューロンの間の空間を埋める糊やセメントのような物質という意味のNervenkittが語源となっている。
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/グリア細胞
グリア細胞は、膠(こう)細胞ともよばれ、脳の機能的構造維持、細胞外イオン環境の調節等々の機能を持っています。
このグリア細胞が、
死後何時間もかけて長い腕のようなものを伸ばしていることを観察した
とあります。
非常に衝撃的なデータですよね。
我々の感覚だと、普通死んだ後は少しづつ細胞が死んでいくイメージがあるのに、逆に細胞が成長するとは…
アストログリアやミクログリア(グリア細胞の一種)に関連する遺伝子の発現が死後、24時間にわたり増加していたとのことです。
個人的に興味深かったのは、ハウスキーピング遺伝子の発現が比較的保たれていたということ。
ハウスキーピング遺伝子は細胞の基本的な機能に関わる遺伝子で、細胞種で遺伝子発現に違いがないと考えられている遺伝子です。
ハウスキーピング遺伝子を基準に遺伝子発現の多い少ないを評価します。
ある土地の大きさを表すときの「東京ドームOO個分」の「東京ドーム」に当たるのが、ハウスキーピング遺伝子です。
研究にはてんかんの患者から得られた脳組織を用いられた
今まで脳の組織の遺伝子解析は、
死後の脳が使われていたようですが、
今回の研究では、てんかんの患者から手術で摘出した直後の新鮮なヒトの脳が使われています。
摘出された直後から、摘出後24時間まで経時的に発現を比較し、今回の発見が得られました。
今回の結果により死後の脳でどの細胞が安定で、どの細胞が分解されやすいかが明らかになりました。
内容は以上になります。
今後も面白い研究成果があった場合は紹介記事を書いていこうと思います😄ではでは〜
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